2009年07月08日

炭素正義とは? その1

キタハラです。

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先日、Waveが「横浜環境活動賞」を受賞したことをお伝えしました。
金子に表彰状を手渡してくださった阿部副市長が、スピーチの中で「炭素正義」の話をしていました。
今回はこの「炭素正義」とは何かについてご紹介します。

「炭素正義」ーーCarbon Justiceーー。
この言葉は、昨年5月に横浜で行われたTICAD4(第4回アフリカ開発会議)で、ノーベル平和賞受賞者であり、「MOTTAINAI」を世界に広めたワンガリ・マータイ女史が提唱した新しい概念です。

産業革命以降、工業や商業の発達によって、先進国を中心に、世界は目まぐるしい発展を遂げてきました。
石油や石炭などの化石燃料を使ったモノづくり(重工業)、クルマや航空機などを中心としたモビリティの発展、サービス産業の隆盛……。数え上げればきりがありません。
日本でも、例えば湾岸地域でモクモクと黒煙をあげる煙突が林立する様は、「経済発展の象徴」とさえ言われてきました。

しかし、公害や地球温暖化、資源の枯渇などの様々な問題が明るみになり、このままでは地球の「持続可能性」はなくなるかもしれない。
今はそんな危機的状況と言え、世界各国が地球温暖化の原因とされる温室効果ガスを削減するため、競い合うかのように削減の数値目標を掲げています。
今、イタリアでサミットが開催されていますが、先進国だけでなく、発展途上国にも温室効果ガスの削減目標を課すよう働きかける動きが出ています。

この議論に対して不公平感を募らせているのが、途上国の人びとです。
先進国が豊かさを享受してきた結果、地球温暖化がここまで進行したのに、今ようやく経済発展を遂げようとしている途上国に削減義務が課されることで、先進国と同じような発展のチャンスを得られないのであれば、それは「不平等」ではないか、と。

もう一つ、忘れてはならないことがあります。
地球温暖化は、様々な気象災害をもたらしています。
その被害をもっとも受けているのは、発展途上国、特にアフリカや太平洋の島嶼部の国々です。
豪雨、水害、海面上昇、干ばつ、砂漠化といった極端な異常気象は、人びとの住む土地を奪い、水へのアクセスがさらに不便になり、衛生や保健、あるいは日々食べるものさえ満足に手に入れられない状況といいます。
経済発展の機会どころか、「生きる」権利さえ奪われているのです。

TICAD4でマータイさんは、アフリカの人びとが直面している窮状を紹介しながら、「カーボン・ジャスティス」という言葉を用いて、「温室効果ガスのほとんどを排出した国々が道義的な責任を持って、温室効果ガスを排出していないが最もネガティブなインパクトを受けている国の人びとに対して、支援をすべきだ」と訴えました。

(続く)
posted by Waveよこはま at 15:28| 【エココラム】