2008年12月10日

低炭素社会、二つのイメージ。

キタハラです。

今回は、「温暖化対策のシナリオ・その3」です。
日本が目指すべきこれからの社会のあり方とは?

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新聞や雑誌、テレビなどで「低炭素社会」という言葉を聞いたことはありませんか?
文字通り、地球温暖化の大きな原因となっているCO2(炭素)を減らし、炭素に依存しなくても生きていけるような社会を構築することを目指した言葉です。
そのために私たちがすべきなのは、CO2の排出量を減らすこと。日本では「2050年までにCO2を60〜80%減らす」という目標を掲げましたが、実際に「70%までは削減できる」との報告をまとめたのが国立環境研究所を始めとする「2050 日本低炭素社会シナリオチーム」の「脱温暖化2050プロジェクト」です。

シナリオでは、将来の日本社会のあり方について、二つのイメージを提案しています。
一つは「活力・成長志向の社会」。経済や社会の活力を重視し、1人当たりGDPは2%成長を続けます。技術革新によるブレイクスルーやリサイクルが進み、より便利で快適な社会を目指す都市型・個人主義の社会システムができあがります。ドラえもんが活躍しそうな社会のイメージですね。
もう一つは「ゆとり・足るを知る社会」。地方に人が分散し、コミュニティを重視する社会で、一人当たりGDPは1%程度のゆっくり成長です。地産地消は当たり前で「もったいない」精神で必要な分だけの生産、消費が行われ、社会的・文化的価値を尊ぶ傾向が強まります。トトロに出てくる「サツキとメイの家」のようなイメージの社会と言えます。

今後、どのような社会を志向するかは、今の我々の暮らしにかかっています。
日本はこれまで、経済成長を重視し、技術革新によって世界をリードし続けてきました。今後もその方向で、より環境重視型の技術を世界に提案していくことになるはずです。家電の効率はどんどん上がってよりエコ仕様となり、情報通信ネットワークもより高度に進化するでしょう。つまり、活力志向の社会が進んでいく可能性が強いと言えます。
一方で、「スローライフ」や「スローフード」が流行し、自分で畑をつくったり、田舎暮らしに憧れを持つ人が増えているのも事実です。少々値段が高くても国産で、生産者がわかる安全な食べものを求める、食べものばかりでなく、住宅でも地産地消を重視する人が出てきました。NPOバンクのような、従来とは異なる新たな金融システムも誕生しています。

二つの社会イメージは、どちらも今の社会のニーズを色濃く反映していると言えます。これらは決して相反する概念ではなく、うまく補完しあいながら進んでいくことが求められます。
わたしたちの次の世代に「未来」を残していくためには、具体的なイメージが必要です。
どんな社会をつくっていきたいのか、そのためには今、何をしなければならないのか。
今日から日々の生活の中で考えていきませんか?


詳しく知りたい方はこちらの本をご覧ください。
『日本低炭素社会のシナリオ―二酸化炭素70%削減の道筋』
西岡秀三・編著 日刊工業新聞社


posted by Waveよこはま at 19:12| 【エココラム】