2008年11月26日

バックキャスティングという考え方

キタハラです。
今回は、「温暖化対策のシナリオ・その2」と銘打ち、「バックキャスティング」という考え方についてご紹介します。

木になる柿.jpg

ものごとを取り組む時、誰しもが必ずといいほど目標を立て、それに向かって努力をするはずです。
しかし、目標の立て方は人それぞれ。
例えば、「今のわたし」ができることをコツコツと積み上げていくタイプの人がいます。こういうタイプは、目の前にある現状から将来の予測を立て、それに合わせてできる対策を立てていきます。ある意味、受動的とも言えます。
一方で、「将来こういうわたしになりたい」とビジョンを描き、その理想像に向かって突っ走る人がいます。いろいろな制約はあるものの、理想とする将来像に向けてそれに至る道筋を自分で切り拓いていくので、能動的、主体的と言えるでしょう。

前者のような目標の立て方を「フォアキャスティング」、後者を「バックキャスティング」といいます。

さて、温暖化対策のシナリオに話を移しましょう。
「地球温暖化は待ったなし」とはよく言われますが、現に気温は生態系が許容できる範囲を大幅に超えたレベルで上昇を続け、豪雨や猛暑などによる被害は激度、頻度ともに科学者の予想を遥かに上回るペースだといいます。
「2050年に世界の温室効果ガスの排出量を50%削減する」というテーマが国際公約になりつつありますが、それは「実現しなければ100年後の未来はない」ほどに緊迫した目標です。削減枠をどのように割り当てるか議論をしている間にも、着々と地球温暖化は進んでいるわけですから。

そんな状況のなかで、「地球温暖化が起こっているといっても、今はまだそれほどわたしたちの生活に不便はないし、もうちょっと様子を見ていても何とかなるのでは」と静観しているうちに、温暖化の進行によって地球環境が壊滅的な被害に遭ってしまったらどうなるでしょう。
地球温暖化対策は「フォアキャスティング型」ではもはや間に合わない、何かあってからでは遅いどころか、地球を滅亡させてはならない、というたいへんな問題をはらんでいるのです。
「近い将来に絶対に温暖化の進行を食い止める」という最低限の目標を達成するために、今、何をしなければならないのかを考え、すぐにでも対策を始めなければなりません。つまり、ここで必要になるのが「バックキャスティング」という考え方です。
早めに目標を決めることができれば、目標を達成するための道筋はその分、たくさんできることになります。一つの方法に縛られることなく、うまくいかなければ早めの軌道修正も可能です。

今、先進国の多くは、
・2050年までに60〜80%のCO2を削減する
・CO2を出さない国づくりを目指す
など、たいへん野心的な目標を掲げ、それに向けてさまざまな政策を打ち立てています。それをどのように実現していくか、国ごとに個性が現われています。北欧、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本……。比較してみるとなかなかおもしろいものですよ。
posted by Waveよこはま at 17:19| 【エココラム】